ばいばい。ワンコ

ちいさかった、ワンコ。

捨てられてたワンコ。

段ボールが怖くて、箱を見せるだけで、耳も、しっぽも下にむいて

おびえる姿がかわいくて、意地悪して段ボール箱かぶせた。




おすわり。待てのまま背中を向けて歩く。

ずっとずっと、こっちを心配そうに見てた。

『おいてかれるの？また捨てられるの？』

おいで！！の声に風の様に走ってきた、ワンコ。




お座りすると、しっぽが前に出てくる。

引っ張って後ろに出しても、お尻をひゅっとあげて

足の間でしっぽをふりふり。

落ち込んでるとき、悔しいとき。嬉しいとき。

いっぱい話きいてくれてたワンコ。

ぴったりくっついて離れなかったワンコ。




お散歩に行って、うんちするとき、みないで…ってハの字眉で

困った顔するワンコ。

5年がすぎて、10年がすぎて…

白髪になってきた、口の周り。でも相変わらず足の間でしっぽふりふり。

15年がすぎて、目が白く濁り、少し耳が遠くなったね。




なごむに気づかず、吠えるけど、においでわかってくれてた。

16年目、17年目。毎年毎年、季節の変わり目に覚悟してた。

今年の10月頃から、夜鳴きが始まる。

まっすぐ歩けない。

なごむの事もわからない。

くるくる、くるくる同じところを歩き続ける。

も1匹のワンコが、不思議な顔で、見つめてる。

後ろ足がたたなくなる。　自分でたてない。




じっと目を見てる。なにも見えない目で見てる。

鳴き続ける。痛いの？つらいの？どうしたいの？

わかんない。わかんない。

ひっくり返って、足をばたばたさせている。頭ぶつけてごつんって、すごい音。

鳴きすぎて、声枯れてるよ。

さすっても、かいかいしても、ずっと鳴き続ける。

19日。お休みをもらってお家に帰った。いっぱい撫でた。

話もした。痛いの痛いのとんでいけ。

くるくる、回る。真ん中にたって、見守る。

転んだら、起こしてやる。くるくるくるくる。

なんて、言って別れたっけ。覚えてないや。またねって言ったかな？










12月23日午前11時。

天国へと旅立ちました。







体、軽くなった？走れる？

お空走ってる？？

いっぱい、ありがとう。

ばいばい！

コメント 2

いつかは別れる時が来るんだよね。
寂しいけど仕方がないことなんだよね。
でも楽しい思い出がいっぱい残ってるよね。
by chi- (2006-12-31 23:01) 

みんなが、みんな、なごむん家に来て
幸せだったよ。って言ってくれてます。
元気にお空、走ってると思います。
by nagomu (2007-01-06 00:18)